管清工業グローバル水未来講座

AIとデータサイエンスで拓く、世界のインフラ維持管理

講座について

日本では、高度経済成長期に整備された社会インフラが老朽化し、持続可能な市民生活を守るため、適切な維持管理が急務となっています。
しかし現場では、人材・財源・技術力の不足という3つの課題が慢性的に存在し、効率的かつ高度な管理手法の構築が求められています。

本講座では、下水道をはじめとする「水」に関わる社会インフラの維持管理を中心に、AI、ICT、IoT、ビッグデータなどの最先端技術を活用した研究・教育を展開します。
具体的には、将来を見据えた下水道のあるべき姿や、XAI(説明可能なAI)を用いた「まるごとモデリング」による全国的なデータ解析を実施し、日本国内だけでなく、アジアや世界各国への技術展開を視野に入れています。

下水道工事イメージイラスト

本講座は、金沢大学と上下水道分野で国内外の維持管理・コンサル事業を展開する管清工業株式会社の共同で設置され、教育・研究の相乗効果により、次世代のAI・データサイエンス人材の育成、ならびに新たな産業の創出にも貢献します。

グローバルインフラを支える知と技術を創出し、持続可能な未来を世界に届ける──
それが、本講座の使命です。

「グローバル水未来講座」の目的

  • 将来を見据えた下水道のあるべき姿を示していく
  • XAIを活用したデータサイエンス「まるごとモデリング」を世界、日本全国を対象として実施していく
  • 共同研究成果を本講座を通じて大きく飛躍することで、持続可能な共同研究=グローバルインフラを推進していく

講義内容

[前半]
グローバルインフラにかかわる総合知・未来知の構築
[後半]
グローバルインフラ学の構築と共同研究成果の社会実装を実施する

講師

金沢大学教授 藤生 慎

管清工業株式会社について

管清工業は1962年の設立。以来60年以上、下水道管路の維持・管理を専門に行い、安心・快適な生活を支えてきた。「管を清める」という社名の通り、点検・調査・清掃の分野で、上下水道施設の基盤維持に貢献しています。KPRO®やグランドビーバーなどの自社開発機材を活用し、下水道の課題に幅広く対応。ビルやマンションの排水設備工事はもちろん、JRや東京メトロと連携した駅・トンネルの排水設備管理も担っています。家庭のトイレ詰まりなどにも対応する、信頼される身近な存在として、水環境の未来と持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

https://www.kansei-pipe.co.jp/

長谷川社長メッセージ

当社は現在、東ティモールにおいて、上下水道インフラの管理を担う人材の育成事業「東ティモール産業・雇用創出を目指した技術人材育成のための能力開発プログラム」に取り組んでおります。
このプロジェクトを通じてご縁のあった藤生教授のご専門分野は、当社が注力する下水道管路分野にも大きな可能性を秘めていると感じました。こうしたご縁と関心の重なりが、今回の金沢大学での共同研究講座設立へとつながっています。

これまで当社と藤生教授は、下水道管路の新たな点検支援手法の開発に加え、国民健康保険データベースを活用したウェルビーイングの研究、さらに東ティモールを対象とした維持管理・防災・観光・交通・医療分野における総合的な基礎研究など、幅広い領域で共同研究を進めてきました。

これらの取り組みはすべて、AIとビッグデータを活用して社会インフラの維持管理に新たな価値を創出する「まるごとモデリング」プロジェクトの一環です。
下水道というインフラを、人々の生活や健康、そして都市計画と結びつけて捉える研究は、これまでにない新たな挑戦です。だからこそ、本講座がその第一歩、すなわち嚆矢(こうし)となることを強く願っております。

代表取締役 長谷川 健司

管清工業株式会社 代表取締役 長谷川健司の写真

長谷川 健司 [はせがわ・けんじ]

1975年日本大学卒業後、渡米し下水道管理会社にて実務経験を積む。1983年帰国後、当社入社。1987年取締役就任、1998年代表取締役就任。2009年より公益社団法人日本下水道管路管理業協会会長を兼務し、業界発展に貢献している。